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2012.04.06
いたち川低水路整備(自然復元)
所在地:
神奈川県横浜市栄区小菅ヶ谷1丁目29番地先
竣工年度:
1983年
諸元:
低水路整備(瀬・淵、水際植生の自然性回復)
区間:いたち川橋~海里橋
延長:1000m
概要:
いたち川は典型的な都市河川。河川工事で直線化され、コンクリート護岸で固められ、川底は平らに削られ瀬や淵、水際植生を失った。水深が浅く排水路のようになったいたち川に川らしさを回復するために、川底の一部を掘り下げ両側に盛り土。水深を改修前の状態に復元した。低水路の水際は護岸で固めず、洪水作用による変化を許容することとした(水際は固めるのが常識だった)。ヨーロッパの近自然工法をまねたといわれることがあるが、その情報が日本に入る4~5年前に独自に実践したものだ。当時地元住民は「余計なことするな」と反対し事業は予定の半分を残して中断するなど険しい道のりだった。今では栄区のシンボル河川として親しまれている。
受賞:
土木学会デザイン賞2011 優秀賞
*低水路、川辺の道、扇橋の水辺、稲荷森の水辺等一連の取り組み(約4km区間、30年間の取り組み)について受賞
吉村 伸一Shinichi Yoshimura
(株)吉村伸一流域計画室 |EA協会 副会長
資格:
技術士(建設部門:河川、砂防および海岸海洋)
技術士(環境部門:自然環境保全)
特別上級土木技術者[流域・都市](土木学会)
略歴:
1948年 北海道生まれ、石狩川流域人
1971年 室蘭工業大学土木工学科卒業
1971年 横浜市役所 勤務
1998年 吉村伸一流域計画室設立、代表取締役
主な受賞歴:
2005年 土木学会デザイン賞 最優秀賞(和泉川/東山の水辺・関ヶ原の水辺)
2008年 土木学会デザイン賞 優秀賞(嘉瀬川・石井樋地区歴史的水辺整備事業)
2011年 土木学会デザイン賞 優秀賞(いたち川の自然復元と景観デザイン)
2018年 土木学会デザイン賞 優秀賞(伊賀川 川の働きを活かした川づくり)
2021年 復興デザイン会議第3回復興設計賞(川原川・川原川公園)
2022年 土木学会デザイン賞 最優秀賞(川原川・川原川公園)
主な著書:
日本文化の空間学(東信堂、2008、共著)
多自然型川づくりを超えて(学芸出版社、2007、共著)
多自然川づくりポイントブック(日本河川協会、2011、共著)
図説・日本の河川(朝倉書店、2010、共著)
川の百科事典(丸善、2009、共著)
川・人・街-川を活かしたまちづくり(山海堂、2001、共著)
自然環境復元の技術(朝倉書店、1992、共著)
組織:
(株)吉村伸一流域計画室
神奈川県横浜市
Email:yoshimura@ys-ryuiki.co.jp
業務内容:
・河川の自然復元および景観デザインに関わる研究、計画、設計
・川づくり、まちづくりに関わるコンサルタント業務
・市民参加、合意形成マネジメント
・その他上記に付帯する業務
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