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エンジニア・
アーキテクト協会とは
エンジニア・アーキテクト協会(The Engineer Architect Association,略称EAA)は、これまでの土木設計の枠組みから脱却した景観・デザインの精鋭的プロ集団を標榜しています。

エンジニア・アーキテクト協会は、公共施設設計において高質のデザインを提供できる人材を支援する組織であり、そこに登録されたエンジニア・アーキテクトは、高い芸術的感性とともに公共デザインを実践できる人材として認定された技術者として、社会資産という成果をもたらす存在でありたいと考えています。

エンジニア・アーキテクト協会は、総合的なまちづくりや空間デザインの領域において、戦後の高度経済成長期以来の公共施設整備のありかたを是正しつつ、これからの我が国に質の高い社会資産を創造し、国民・市民の利益を守って文化的貢献を果たすことを目的にしています。

活動方針

➀ プロフェッショナルな設計家を支える拠り所として

  • その地域に暮らす市民・住民の生活環境の向上を目的とし、豊かな質を伴った公共的デザインの実現を目指す、エンジニア・アーキテクトを支える体制づくり
  • それぞれの分野における専門家との創造的コラボレーションによる戦略的な業務遂行の場の提供

➁ 相互研鑽と人材育成

  • 最後まで責任を持って計画・設計・監理ができるエンジニア・アーキテクトの資質向上のための相互研鑽と人材育成

➂ まちづくりの総合的な相談機関(コンサルティング)

  • まちづくりに悩む自治体に向けた、計画・設計のみならず企画から運営にいたる業務全般についての相談(コンサルティング)
  • 安心して任せられる、実績があり、意欲ある専門家の紹介・派遣・コーディネート
  • 市民講座や研修等への人材派遣

➃ その他

  • 以上を実践する自律的な設計家としての職能の確立
設立趣旨
変動する社会情勢にあって、諸分野では抜本的な制度改革が進みつつあるようにみえる一方で、公共事業は、依然として高度経済成長期に確立された旧態たる計画・設計制度のただなかにあります。
戦前までは、行政による直営設計・施工という体制によって行政組織内部に設計者(インハウス・エンジニア)がおり、個人が責任を持って設計から監理まで完遂するシステムが成立していました。隅田川橋梁群に代表される帝都復興事業は、このシステムによって多くの社会資本を創出し、今日に至るも文化財というに相応しい資産性が高く評価されています。

しかし戦後、高度経済成長期を迎え、迅速かつ大量の社会基盤を手当する事情から、熟練でなくとも誰が担当しても同じものができるための標準化(いわゆる「標準設計」)が進められると、図面作成や計算業務を代行的に請け負う“設計補助者”としての建設コンサルタントという業態が現れました。やがて設計業務の外注が常態化するに従い、行政内部も合理化と効率化が図られて担当者は2~3年で異動するようになり、計画・設計・監理を担当者個人が一貫して責任を持つという伝統は失われました。インハウスの技術力は低下し、しかし一方で建設コンサルタントの立場は「補助者」のまま、個人が設計に対して責任が取れず、現場監理にも関与しない仕組みは慣習として今日に至るも継続しています。昨今では、透明性・競争性の名のもとに、予備設計と実施設計で外注される設計者が変わるなど、いよいよ分業化が高じており、しかも一般競争入札によってのみ選ばれる仕組みが拡大されて、設計品質の低下に懸念の声が上がっています。

個人が責任を取らないという、この現行の計画・設計制度は、歴史的に見ても世界的に見ても極めて異常な事態であることに対して、我が国はあまりにも盲目的です。標準的な公共整備においては現行制度が今後も有用であり続けると思われますが、景観・デザインといった、一品生産の高い“質”が要求される社会資本の充足に対しては、この制度は不向きであり、責任を持って高質の空間を設計できる個人が生まれにくく、育ちにくいという状況を脱却し得ず、豊かな社会基盤を形成し新たな文化を創造するに不適当であることは言うまでもありません。

量から質への国民的ニーズの高まりは、景観法(2004 年施行)や歴まち法(2008年施行)の制定に現れ、文化的景観制度(2005年)による景観を基礎とする設計・計画者へのニーズもまた同様に強まるとともに、世界遺産に代表される国際観光振興とそれに伴う経済効果が注目を集めています。これまで以上に都市景観、のみならずこれまで見過ごされがちであった農山村・漁村の文化的景観の整備についても、その重要性についてようやく認識が改められようとしています。これを支援するには、価格のみで競わせる競争入札や、標準設計・設計補助といった既存の枠組みではもはや対応が不可能であることは言を待ちません。今こそ公共事業の“出資者”としての国民の利益を守り、この分野における実践的活動として、設計者自ら立ち上り、行動を起こす時が来ています。

すでに我々は、土木・建築・都市・造園・デザイン・文化財などの既成の枠組を超えた総合力を有する専門家チームを結成することによって、従来体制ではなしえない、空間の「質」に応える実績を生み出してきました。ここでいう我々とは、高い志と理念を持った技能者としての設計者であり、総合的なまちづくりや空間デザインの領域において、分野を超えて相互に会話が成立するデザイナー、芸術と技術を融合する専門家を指します。我々はこの職能を、「エンジニア・アーキテクトengineer architect=エンジニアリング(技術)をベースとするアーキテクト(統合家・意匠家)」と呼称するに至りました。

そしてこの職能は、これらのまちづくりにかかわる各専門分野において最も職能の確立が遅れている、公共施設整備――いわゆる土木分野において緊急であり、ここに「エンジニア・アーキテクト協会Engineer Architect Association」を設立することを宣言いたします。

エンジニア・アーキテクトは、たとえば先に述べた永代橋・清洲橋をはじめとする隅田川六大橋の設計者である太田圓三や田中豊をはじめ、東京の戦災復興計画にきらめくようなヴィジョンを込めた石川栄耀といった、いわば戦前の正統的な土木技術者(インハウス)の志を継承する、民間(civil)の正統な設計家(engineer)を標榜するものです。ただしこのことは、特定の政治的信条に根ざした復古主義なぞでは決してなく、懐古的な美意識をいうのでもありません。むしろ諸外国にはおいて常識といっていい設計家のあり方として、すなわちエンジニア・アーキテクトと呼ばれる、フランスのG.エッフェルやE.フレシネ、スイスのR.マイヤールら多くの先達の姿勢に見られる民間技術者の理念やその行動に共感する意思を表明するものです。

エンジニア・アーキテクトとは、高い職業倫理を持った設計家として、文化的なストックすなわち社会資産たる公共施設を創出する、職能技術者が自律的に立ち上がるべきという宣言に他なりません。

参考
彼らは、設計競争などを通じて公共施設設計や建設に携わった民間エンジニアであり、オリジナリティあふれる発想と造形によって社会に多大な功績を残した。彼らこそ、我々が目指すエンジニア・アーキテクトである。
アレクサンドル・ギュスターヴ・エッフェル
Alexandre Gustave Eiffel
(1832~1923年)
フランスの構造家でかつ、鉄道高架橋や駅舎架構の建設で実績を残したエッフェル社の創業者。鉄骨を用いた大胆かつ優美な架構を得意とし、土木の設計・建設技術の発展に多大な功績を残した。
 
ウジュヌ・フレシネー
Eugene Freyssinet
(1879~1962年)
コンクリート構造に功績を残したフランス人土木技術者。彼は、コンクリートを駆使して欧州に数々の名橋を設計し実現させたが、特に、世界中に普及し、かつ現在も発展し続けているプレストレスト・コンクリート(PC)技術「フレシネー工法」を着想し実用化したことで知られている。
ロベール・マイヤール
Robert Maillart
(1872~1940年)
スイスの構造家。鉄筋コンクリートを使用した近代的なアーチ橋の設計で知られており、代表作「ザルギナトーベル橋」は、深い谷間に絶妙のバランスを保った3ヒンジRCアーチの傑作として名高い。それまでの伝統的アーチ構造の概念から構造を開放し、土木構造デザインの分野に新たな地平を開拓した。