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2016.05.30

06 | “どこに手を打つか”から考える
−国士館大学理工学部まちづくり学系
「公共空間デザイン演習」−

二井 昭佳(国士舘大学|EA協会)

0.はじめに

本稿では、国士館大学理工学部まちづくり学系の設計演習である「公共空間デザイン演習(3年春期・選択科目)」を中心に紹介したい。なお本学系は、昭和39年に創設された土木工学科に始まり、その後いくつかの再編を経て、2014年度から土木工学をベースに、これからのまちづくりに必要な知識や技術を学ぶ「まちづくり学系」としてスタートした。

 

私が本学に勤務し始めたのは2007年だが、当初は空間デザインを対象とする設計演習科目は存在しておらず、多くの土木系学科と同じように、設計演習といえば板桁橋や擁壁などの構造計算演習科目を指していた。しかしいうまでもなく、土木が創り出すのは、人が暮らし活動する空間である。そのため翌年から、担当の講義科目を読み替え、空間デザインにかんする設計演習を実施することにした。それにあたっては、信頼する同級生で、すでに土木系デザイン事務所を立ち上げ活躍していた、株式会社EAUの崎谷浩一郎氏に非常勤講師をお願いし、以来現在まで9年間、二人三脚で演習を実施している。本稿の責任はあくまでも筆者にあるが、演習の内容については崎谷氏とともに取り組んできたものである。

1.本学系のカリキュラム構成と設計演習の位置付け

設計演習の紹介に入る前に、本学系のカリキュラムにも簡単に触れておきたい。講義と設計演習の大きな違いは、前者が特定の分野の知識や技術を集中的に深く学んでいくのに対し、後者はそれらを統合し、ひとつの空間や構造物としてまとめる訓練の場だと捉えている。

そう考えると、設計演習自体の内容を充実することはもちろん大切だが、同時に設計演習に至るまでのカリキュラムをどのように構成するかも重要になる。限られた演習時間で設計に関わる多くのことを伝えるのはそもそも無理があるし、学生にとっても時間をかけて空間に関わる知識や技術を学ぶ方が身につきやすいと思うからである。こうした考えのもと、本学系では図1のようなカリキュラムを組んでいる。

 

図1:まちづくり学系カリキュラムマップ

 

図をみてもらうとわかるように、今回紹介する「公共空間デザイン演習」は3年の春期に配置しているが、2年次までになんらかの形で空間に関わる科目を14科目配置しており、個人的にはかなり充実しているのではないかと考えている。具体的には、1年次では導入・意識づけとして、まちづくりの魅力や課題を学ぶ「まちづくり概論」、図法や製図を学ぶ「景観デザインの基礎」や「設計製図」などを配置し、2年次では基礎知識として都市計画や交通工学、また景観工学やランドスケープに関わる科目を配置している。

このうち特徴的なものを紹介すると、筆者が担当している「まちづくり概論」では、優れたまちづくり事例を簡単な物語に書き換え、グループごとにその答えを探していくまちづくり推理ゲーム(写真1)や、歴史的街並のトレース(写真2)、横浜まちあるきなどにより、自分なりにまちづくりとはなにかを掴むことを目指している。

 

写真1:まちづくり推理ゲームでの発表風景

写真2:歴史的街並のトレース成果(法政大学宮脇檀研究室編「日本の伝統的都市空間」)

 

また、都市計画についても、いきなり都市計画史や制度を学ぶのではなく、まず実際のプロジェクトを体験することから始めるカリキュラム構成としている。最初の都市計画系科目の「まちづくりの実際」では、長年世田谷区役所で都市計画にたずさわっておられる松村浩之氏に講師をお願いし、これまで世田谷区が取り組んできた実際のプロジェクトを対象に、プロジェクトの解説、現地視察、学生のプレゼンテーションを1セットとして、4つほどのプロジェクトに触れることで都市計画の必要性や課題を実感できるようになっている。また「まちづくりの交通計画」では、交通量の需要推計などに加え、コミュニティバスなどこれからの公共交通を考えるための内容も含まれている。

ただ課題ももちろんあって、必ずしも学生の知識や技術がカリキュラムマップ通りに蓄積されるとは限らないという点である。これにかんしては、筆者を筆頭に、教員側の不断の努力が求められるのだと考えている。

なお、最初に述べた構造計算演習科目は、「構造物設計演習」に名称を変更し、構造力学・土質力学・コンクリート工学を統合する重要な科目として配置している。

2.設計演習の狙いとこれまでの取り組み

前段が長くなってしまったが、ここからは設計演習の狙いについて述べていきたい。これまでの9年間の概要は表1のとおりである。

 

表1:2008年〜2016年までの演習テーマと対象地

 

ほぼ毎年、設計対象地が変わっているのが大きな特徴である。これは、私と崎谷氏の試行錯誤の証でもあるのだが、もうひとつ大きな理由がある。それは、私の研究室の学生は、暗黙の了解(半強制ともいう?!)で、4年次や修士課程時にもこの演習に取り組むことになっているからである。こうすることで、学部卒でも2回、院卒なら最大4回、設計演習に取り組むことができ、東北大学の平野勝也先生と平野研究室が企画・運営している土木系アイディアコンペ「景観開花。」も含めれば、学生のうちにそれなりの数の設計を経験することができる。また教員側から見ても、すでに設計演習を経験している上級生が受講していると、3年生が彼らから教わったり、やり方を真似したりし、また上級生には良いプレッシャーがかかることで、良い相乗効果が生まれやすい。研究室のメンバーに言ったことはないが、じつは大変感謝している。

 

さて、設計対象は毎年変わっている一方で、設計演習で大切にしていることはあまり変わっていない。具体的には下記の5点である。

1) どこを設計対象地にするかから考えること

2) 周辺との関係から考えること

3) 空間の形ではなく、シーンから考えること

4) 少なくとも自分の実感に基づいて考えること

5) 一度組み立てた考え方やデザインを作り直す勇気を持つこと

 

以下、過去の演習作品も紹介しながら、その理由について述べていきたい。

1) どこを設計対象地にするかから考えること

「設計対象地よりも、もっと整備すべき大切な場所があるのではないか」。実務に携わる人なら一度は、こうした感想を持ったことがあるのではないだろうか。近年では、本機関紙の「EAプロジェクト100 10|牛久駅東口駅前広場(前半)」で紹介した牛久駅東口まちづくり整備や、東京大学の中井祐先生や崎谷氏らが関わっている大分県竹田市や山梨県山中湖村でのまちづくりなど、整備すべき場所自体から考えていく業務も増えつつある。しかし、ほとんどの計画・設計業務は、設計対象地が決定した状態で発注される。そして、それらの場所を決定するのは行政であり、その意味で行政の重要な資質のひとつは、場所を見定める力にあると思う。とくに人口減少時代の限られた予算のなかで、福祉や教育にも投資が必要なことを考えれば、今後ますますその重要性は高まっていくと思われる。

そうした力を身につけるために、課題では設計対象地を完全に固定せず、複数の候補から選ぶように設定している。そうすることで、なぜその場所を選んだのかという問いから始めることができるからである。これまででもっとも選択肢の幅が広かったのは、2010年の「『世田谷×200坪のパブリックスペース』の可能性」である。この課題は、設定した大学周辺のエリアに対し、地域の課題をもっとも解決できる200坪の敷地を各自が選定し、それを解決するための空間を提案するというものである。結果として、駅前に小さな広場を設ける提案(写真3)から、駅近くの銭湯をコミュニティ小広場にする提案(写真4)など、様々な設計対象地が選定された上に、対象地がほとんど重複することがなく、教員側としても大変興味深い演習だった。

今後も、「なぜそこに手をつけるべきなのか」から考え始めるような課題設定を続けていきたいと思っている。

 

写真3:2010 年度作品『Flatform ~ふらっとホーム』(安田尚央くん/2012年修士卒)

写真4:2010年度作品『♨湯らっと』(服部周平くん/2011年修士卒)

 

2) 周辺との関係から考えること

1)の内容ともかぶるが、個人的には、新しく整備した空間が良くなるのは当たり前であり(必ずしもそうなっていない空間が多いのが問題なのだが)、それによって手をつけていない周辺の空間がどのくらい良くなるのかが整備の成否の分かれ目だと考えている。波及効果の高い整備を目指すには、対象地周辺の活かすべき資源と、解決すべき課題を把握し、その上で整備する空間がそれらとどのような関係を築くべきなのかを考えることが重要なのだと思う。まさに、篠原修先生の言われる「連句的まちづくり」の発想である。

ただ、これを演習で実践してもらうのはなかなか難しい。とくに演習後半になってくると、学生は設計をまとめあげるのに一生懸命になり、どうしても設計範囲だけに目がいってしまうからである。これまで周辺との関係から考えるように、広域の現地調査の発表や広域の模型作成などを組み込んできたが、現時点では演習を通じてその視点を持ってもらうには、各自が作成する模型範囲をできるだけ広げ、演習後半になっても周辺の状況が目に入るようにする方法が良いのかなと考えている。ここは、今後も改良を加えていきたいことのひとつである。

 

3) 空間の形ではなく、シーンから考えること

これも、篠原先生の教えのひとつであるが、まずはそこでのシーンをイメージすることから、空間のデザインを考えてもらいたいと考えている。言い古された言葉かもしれないが、やはり、まちは人々の舞台であり、シーンがイメージされていない空間は寂しいと思うからである。

こうした観点で興味深かった提案には、あたらしい広場を地域の盆踊りとしても活用することを提案し、それを模型でも表現した作品(写真5)や、平常時の使い方とイベント時の使い方を提案し、それらを模型で表現した作品(写真6)などがある。これらは模型表現ではあるが、一般の人々にとって空間をイメージしやすくする効果が高く、将来経験するだろう住民ワークショップを実りあるものにするためにも、多くの学生に取り組んでもらいたいと考えている。

こうした感覚をより意識的に持ってもらうために、昨年から、崎谷氏考案の「ABCスケッチ」なる興味深い即日課題を組み込んでいる。詳細は後述するが、これによってこれまで以上にシーンを意識した提案が増えることを期待している。

 

 写真5:2009年度作品『町の広場に賑わいを』(竹間光則くん/2010年学部卒)

写真6:2015年度作品『子供(みらい)を育てる上町(まち)』(須賀周平くん/2015年学部卒)

 

4) 少なくとも自分の実感に基づいて考えること

「君は、この芝生広場に寝転んでみたいと思う?」「いやぁ、自分だったらどうでしょう…」。これは、エスキスでのよくあるワンシーンである。学生は、公共空間を提案してねと言われているので、一生懸命「みんな」という得体の知れないものを想定しようとする。その努力は大いに評価するのだが、問題はおうおうにして「みんな」から、「自分」が欠落してしまう点である。

(「自分」は使わないかもしれないけど)、「みんな」にとって必要な空間というロジックは、かなりの確率で、誰にとっても必要のない空間になってしまう。それならば、まずは、少なくとも「自分」は必要だと思う空間を提案してくれた方がずっと説得力のある良い空間になるように思う。そして、できるならば、「自分」の家がその周辺にあったらとか、「自分」の親や祖父母だったら、「自分」が結婚して子供ができたら、というように、「自分」というしっかりした実感を持てるところから想像を広げて、空間を考えて欲しい。よほど独りよがりでない限りは、「自分」を延長していくことで、「みんな」という存在を捉えられるということも演習で伝えたいと思っている。

 

5) 一度組み立てた考え方やデザインを作り直す勇気を持つこと

一生懸命考えて思いついた案は可愛いし、発表までの残り時間も考えれば、計画案を作り直すには大変な勇気がいることはよくわかる。その一方で、教員側から見ると、本人の視点や発想が最初に比べてかなりブラッシュアップされているのにも関わらず、計画案自体は当初の発想のままであることも多い。こうしたときには、彼らの背中を押すために、模型をそっと壊すようにしている。

3.公共空間デザイン演習の概要

 

(1)演習の全体構成

ここからは、昨年度と今年度を例に、具体的な演習の内容について述べていきたい。じつは演習の構成は昨年度から大幅に変更している。その理由は、これまでのやりかたでも、興味深い提案がみられ、学生たちにもそれなりに充実した表情が伺えた一方で、計画・設計の方法論を実感するところまではいっていないのではないかという不安を二人とも感じていたからである。

 

そこで、演習を大きくふたつの段階に分け、前半の「クール1:計画・設計の基礎技術を学ぶ」を計画・設計を行うための準備段階、後半の「クール2:計画・設計演習」を対象地の調査分析・コンセプトからプランニング、デザイン、プレゼンテーションの段階とし、さらに各回の取り組み内容をできるだけ順序立てて設定することで、ひとつひとつステップを踏みながら計画・設計を進めていく構成にしている(図2・図3)。とくに前半の準備段階は、実務では発想を練るために当然のこととして取り組まれることだが、演習では後回しにされがちな点であり、ここを強化することで、後半の内容がより充実することも狙っている。

 

図2:演習の目的とスケジュール(ガイダンス時配布資料)

 

図3:演習のテーマ(ガイダンス時配布資料)

 

(2)クール1:計画・設計の基礎技術を学ぶ

クール1では、課題内容の説明や筆者と崎谷氏のデザインレクチュアなどによるガイダンスに始まり、模型表現やスケール感覚、対象地の把握、空間デザインとシーンのストックにかかわる内容を全6回で構成している。

a) 模型表現とスケール感覚

現在のカリキュラムでは、学生は本演習ではじめて模型を作成するため、模型材料や基本要素の作り方をレクチャーした上で、サイコロや模型土台といった簡単なものから慣れるようにしている。テキストとしては、以前、本機関紙で連載されていた「ドボクのモケイ」をベースに、過去の演習作品と研究室の卒業生の安田尚央くん(現:株式会社EAU)と大野健太くん(現:磐田市役所)が作成してくれた模型テクニックを加えた「ニイケンモケイノバイブル」という70ページほどの小冊子を配布し、手元に置いて模型の作り方を参照できるようにしている(写真7)。

 

図3:演習のテーマ(ガイダンス時配布資料)

 

またスケール感覚では、小野寺康氏や斎藤潮先生による東工大の演習(詳細は、ドボクの手習い03| “飛べる”学生たちのために-東京工業大学社会工学科「空間計画設計演習第三」-を参照)を参考にし、自分の体を物差しにした実測ゲームや、テーブルとベンチまたブルーシートを利用したパーソナルスペースやコミュニケーション距離の実験をおこない、2年時で学んだ景観工学での内容を体験的に再確認することで、設計に活かしてもらうようにしている(写真8)。

 

写真8:空間要素の基本寸法に加え、向かい合うベンチの距離と印象(右上)や5m四方のシートを用いてパーソナルスペースの体験を実施している

b)対象地の把握

以前は、演習のなかで現地踏査をおこなっていたのだが、結果的に単なる散歩になってしまっているのではないかと感じることが多かった。そこで、対象地を図化する作業を通じて、対象地の把握につながる内容へと変更した。具体的には、実測による断面図の作成と、トレースに対象地の状況も加味した平面図の作成である(写真9・10)。とくに後者では、作成した平面図を用いて、今後重視したい場所と改善したい場所を発表してもらっている。ちなみに今年の対象地は大学キャンパスであるが、学生たちは2年以上通っていても知らなかった場所が多いことに驚いており、それなりの効果があると感じている。

 

写真9:今年度の断面図の例

写真10:今年度の平面図の例

 

c)空間デザインとシーンのストック

デザインをする上で、本人がどれだけ多くの引き出しを持っているかは極めて重要である。しかし普段から意識して雑誌や実際の空間を眺めているごく少数の学生を除けば、ほとんどの学生は決定的に引き出しが少なく、それが結果的に、面白みのない空間の提案につながっているように感じられた。そこで、対象地の計画に活かせると考える事例を、指定した雑誌や図書から探し、理由とともに発表することで、引き出しとなるデザインボキャブラリーを増やす取り組みをおこなっている(写真11)。

もうひとつが、時間的な関係でクール2に入っているが、シーンの想像力を養うためのABCスケッチである。これは崎谷氏によるアイディアで、まず学生たちに対象地を意識しながらA:どこで、B:誰が、C:〜をしているという3種類のカードを作成してもらう。そして、種類ごとにくじを引き、その組み合わせをスケッチで表現し、みんなで当て合うという楽しみながらシーンの想像力も養える大変面白い取り組みである(写真12)。奇妙なシーンが生まれるのは場を盛り上げることにつながるし、意外にみんなが想定していなかったけれど、ありそうなシーンになる場合もあって、今後も続けていきたいと思っている。

 

写真11:デザインボキャブラリーの発表風景

表2:昨年度のABCスケッチでのカード

 

(3)クール2:計画・設計演習

以上の準備段階を経て、いよいよ計画・設計に取り組んでいくことになる。

ちなみに昨年度の課題テーマは、子育て支援・高齢者生きがい支援・防災機能強化・大学生社会活動・緑化生態のいずれかふたつを実現できる、まちの舞台の提案であり、対象地は東急世田谷線上町駅周辺だった(図4)。また今年度は、大学生と地域住民の居場所となり、まちづくりに貢献できるキャンパスの提案をテーマに、本学世田谷キャンパスを対象地としている(図5)。いずれも、対象地をふたつ設定している点は共通しているが、今年度は中間発表でのコンセプトや空間イメージを踏まえて、敷地Aと敷地Bの担当者の組み合わせを決め、隣の敷地の担当者と協議しながら一体的な空間になるように、自分の敷地のデザインに取り組む進め方を予定している。難度があがってしまうのが心配ではあるが、うまくいくと面白い結果になるのではないかと考えている。

 

図4:2015年度対象地の東急世田谷線上町駅周辺

図5:2016年度対象地の本学世田谷キャンパス

 

また、クール2も図2で示したように各回の取り組む内容を設定しているが、とくに最終発表では、本学系の1年生に聴講・評価してもらう点が特徴である。履修学生にとって下級生に発表を聞かれるのは相当なプレッシャーのようだが(だからやっているのだけど)、昨年の状況をみると逆にそれがカンフル剤にもなっており、また1年生にとっては身近な先輩たちの作品に触れることで、それぞれの講義へのモチベーションにつながればと思っている(写真13)。

 

写真13:最終発表会の風景と、終了後の記念写真 

 

なお最終成果物は、平面図や断面図、スケッチや模型写真を配置し、提案意図をまとめたA3パネルと、縮尺1/200で50cm四方の模型、そしてパワーポイントによる5分間の発表となっている。

最後に昨年度の作品をいくつか紹介したい。

 

写真13(左上):『子供(みらい)を育てる上町(まち)』(須賀周平くん/2015年学部卒)隣接する商店街を活用し、共働き世帯の子どもたちも集まれる「子ども食堂」を核とした広場の提案

写真14(右上):『人と人をつなぐwaterway』(石倉捷くん/2015年修士卒)駅前保育園とともに水を引き込んだ広場の提案

写真15(左下):『上町cyclebase』(村松幹允くん/現修士1年生)周辺に個性ある自転車屋があることに着目し、サイクルステーションを核とした広場の提案

写真16(右下):『train』(村松萌生さん/現学部4年生)多世代が集まる空間をつくるにはまず子どもたちが集まる場所を創るべきという観点のもと、電車車両を活用した広場を設け、使い方によって街路も含めた広場へに変化する空間の提案

4.おわりに

まずは執筆する機会をいただき、9年間の演習を振り返ることができたことに感謝したい。計画・設計は、地域の状況や様々な知識を統合しひとつの空間にまとめ上げる作業であり、それがまさに醍醐味だと思う反面、伝えるのは非常に難しく、この9年間二人で悩みながら試行錯誤してきたことを改めて実感できた。ただ、演習は学生と真剣勝負で向かい合える刺激的な場であり、目を見張るような提案や、演習を通じて成長していく学生を見て、元気をもらえる場でもある。これからもそうした幸せな瞬間を生み出せるように、そして彼らの将来にとって重要な契機になるよう試行錯誤を続けていきたい。

最後に、EAU代表として大変多忙ななか、毎年時間を割いて熱心に指導してくれている崎谷さんに心からお礼を申し上げ、稿を締めたいと思う。

 

 

二井 昭佳Akiyoshi Nii

国士舘大学|EA協会

資格:

博士(工学)

 

略歴:

1975年 山梨県生まれ

1998年 東京工業大学工学部社会工学科 卒業

2000年 東京工業大学大学院社会理工学研究科社会工学専攻修士課程 修了

2000年 アジア航測㈱ 入社(道路・橋梁部所属)

2004年 東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻博士課程 入学

2007年 東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻博士課程 修了

博士(工学)

2007年 国士舘大学理工学部都市ランドスケープ学系専任講師

2012年 スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zurich)guest professor

2013年 国士舘大学理工学部都市ランドスケープ学系准教授

2014年 国士舘大学理工学部まちづくり学系准教授

 

主な受賞歴:

2006年 第8回「まちの活性化・都市デザイン競技」奨励賞

2007年 景観開花。「道の駅」佳作

2009年 広島南道路太田川放水路橋りょうデザイン提案競技(国際コンペティ

ション)最優秀賞

篠原修・内藤廣・二井昭佳編「GS軍団連帯編 まちづくりへのブレイクスルー 水辺を市民の手に」、彰国社、2010

 

組織:

国士舘大学 理工学部

〒154-8515 東京都世田谷区世田谷4-28-1

TEL:03-5481-3252(理工学部事務室)

HP:http://www.kokushikan.ac.jp/faculty/SE/laboratory/detail.html?id=107007

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